目次
レーシックのリスクが不安で一歩踏み出せないあなたへ
「レーシックに興味はあるけど、リスクや合併症が怖い…」
「ドライアイ、ハロー・グレアってよく聞くけど、どのくらいの人に起きるの?」
「お医者さんには何を聞いておけばいいのか分からない」
こうした不安があると、なかなかカウンセリング予約の一歩目が踏み出せないですよね。
この記事では、レーシックで一般的に知られているリスク・合併症を整理しつつ
「よくある不安」を言葉にしてカウンセリングで医師に確認しておくと安心な質問リストまでまとめていきます。
あくまで「情報整理+体験談ベース」の記事なので、最終的な医療判断は必ず眼科医と相談した上で行う前提で読んでいただければと思います。
レーシックの「リスク」と「合併症」をまず整理しよう
「リスク」「副作用」「合併症」のざっくりイメージ
医療の世界では、本来それぞれ細かい定義がありますが、レーシックを検討している段階では、ざっくりと次のようにイメージすると分かりやすいです。
副作用・一時的な変化
→ 多くの人に一時的に起こりやすいもの(ドライアイ、まぶしさ など)リスク(望ましくない結果の可能性)
→ 起こる人と起こらない人がいるが、事前に確率や傾向を説明すべきもの合併症
→ 頻度は低いが、起きた場合に視力低下などの影響があり得るもの
(感染、角膜拡張症、フラップトラブル など)ニチガン+1
この記事では、
① 多くの人に起こりがちな「よくある変化」
② まれだけれど、事前に知っておきたい合併症
③ リスクを減らすために、医師に聞いておくべきこと
の順で整理していきます。
① レーシック後によくある「代表的なリスク・変化」
1-1. ドライアイ:最もよく聞く術後の症状
一般的に言われていること
レーシックでは角膜にフラップを作るため、一時的に角膜の知覚神経が切断されます。
その影響で涙の分泌が減り、目の乾きやゴロゴロ感が出やすくなるとされています。EyeWiki+1
多くの人が術後数ヶ月程度はドライアイ症状を感じ、
半年〜1年ほどかけて落ち着いていくことが多いと報告されています。Mayo Clinic+1
個人差が出やすいポイント
もともとドライアイ気味の人(長時間PC、コンタクト歴が長い 等)は、術後の症状が強く出る・長引く傾向が指摘されています。ドクターリスケ+1
逆に、もともと乾燥症状がほとんどない人は、「多少乾きやすくなったけど、目薬をさせば問題ない」と感じるケースもあります。
医師に相談しておきたいこと
自分の検査結果でドライアイ傾向がどの程度あるのか
術後に想定されるドライアイ症状の強さ・期間の目安
ドライアイのケア方法
(点眼の種類・頻度、必要なら専門的なドライアイ治療を受けられるか など)
1-2. ハロー・グレア(夜間の光のにじみ・まぶしさ)
一般的に言われていること
夜の信号や街灯を見たときに、光の周りに輪っかが見えたり(ハロー)
光が放射状ににじんで見えたり(グレア)する現象です。南青山アイクリニック東京 –+2JSCRS LASIK+2
レーシック後の角膜形状の変化や、高次収差(細かい光のゆがみ)、ドライアイなどが複合して起きると考えられています。
多くの場合、数ヶ月〜1年程度で脳が慣れて気にならなくなるとされる一方、
「ずっと残って気になる」という体験談も存在します。EYE CLINIC TOKYO+1
個人差が出やすいポイント
瞳孔が大きい人(暗いところで黒目が広がりやすい人)
強度近視・強い乱視で、大きく角膜を削る必要があるケース
夜間運転が多い職業(タクシー・トラック・夜勤など)の人
こうした人は、夜間の見え方の変化をシビアに感じやすいと言われています。
医師に相談しておきたいこと
自分の瞳孔径(ひとみの大きさ)と、ハロー・グレアとの関係
今の度数(近視・乱視)で、どのくらい角膜を削ることになるか
似た条件の患者さんで、どの程度ハロー・グレアが出ることが多いか
夜間運転の有無を伝えたうえで、「それでも問題ないと考えられるか」
1-3. 視力の戻り・過矯正・低矯正
一般的に言われていること
レーシック後の視力は、必ずしも「狙った数字どおり」にはなりません。
過矯正(かきょうせい):少し遠視寄りになってしまう
低矯正(ていきょうせい):近視が少し残る
数年単位で、近視が少し戻ってくる「視力の戻り(リグレッション)」
といった変化があり得るとされています。ニチガン+1
個人差のポイント
元の近視・乱視の度数が強い人ほど、視力の戻りが出やすいとされる傾向があります。
年齢が若いほど、もともとの近視傾向が残っているため、長期的には再度近視が進む可能性があります。
一方で、「少し近視寄りでも、メガネなしで日常生活できるならOK」と考える人もいれば、
「0.1の差が気になる」という人もいて、許容ラインは人それぞれです。
医師に相談しておきたいこと
自分の度数・年齢で、どの程度の視力を狙う設計にするのか
もし過矯正・低矯正になった場合の対処(再手術の可否・条件・費用など)
数年〜十数年後の視力変化の可能性について、一般的な傾向
② 知っておきたい「まれだが重要な合併症」
ここからは、頻度は低いものの、起きた場合に視力に大きな影響を与える可能性のある合併症について整理します。
2-1. 角膜拡張症(角膜エクタジア)
どんな合併症?
レーシック後に角膜が前方に突出し、角膜の形が変形してしまう状態です。森井眼科医院+1
視力低下や乱視の増加を引き起こし、メガネやソフトコンタクトでは矯正しづらくなることがあります。
角膜移植や角膜内リング、コラーゲンクロスリンキングなど、より高度な治療が必要になる場合もあります。森井眼科医院+1
どのような人にリスクが高いと言われているか
もともと角膜が薄い人
角膜後面のカーブに異常がある人(円錐角膜などの初期)
強度近視で、角膜を多く削らなければならない人
このため、信頼できるクリニックほど、
角膜トポグラフィー・トモグラフィーなどで角膜形状を詳しく検査する
少しでも異常が疑われる場合はレーシック適応なしと判断するといった対応をとっています。森井眼科医院+1
医師に確認したいこと
自分の角膜厚・角膜形状のデータを見せてもらいながら、「エクタジアのリスクはどう評価されていますか?」
「角膜の安全域(残す厚さ)はどのくらい見込んでいますか?」
角膜にわずかな異常があった場合、レーシック以外の選択肢(ICLなど)を提案してくれるか
2-2. 感染症・炎症(DLKなど)
一般的に言われていること
感染性角膜炎(ばい菌が入って炎症を起こす状態)は、レーシックでは非常にまれとされていますが、起こると視力に影響し得ます。サイエンスダイレクト+1
DLK(びまん性層間角膜炎)と呼ばれる、フラップ下の炎症が起きることも報告されています。セントラルアイクリニック+1
こうした合併症は、術後早期に適切な点眼・処置を行うことで重症化を防ぐことが非常に重要です。
医師に確認しておきたいこと
術後に感染や炎症が疑われる症状(強い痛み、急な視力低下、目の充血など)が出た場合、
いつでも連絡できる体制か
夜間・休日の対応はどうなっているか
実際にこれまでどの程度、感染症やDLKが起きたことがあるか(差し支えない範囲で)
2-3. フラップ関連トラブル
レーシックでは角膜に「フラップ」という薄いふたを作ってめくり、
レーザー照射後に元に戻す、という手順をとります。
手術中にフラップ作成がうまくいかない
術後にフラップがずれる・しわが寄る
フラップの下に上皮細胞が入り込む(上皮迷入)
などの合併症が、まれではありますが報告されています。ニチガン+1
近年はフェムトセカンドレーザーによるフラップ作成の精度向上もあり、
重大なフラップトラブルは減ってきていると言われていますが、それでもゼロではありません。
医師に確認したいこと
フラップ作成に使う機器(機械式か、フェムトセカンドレーザーか)
フラップ関連トラブルが起きた場合の対応(再手術・フラップ洗浄など)日本眼科医会+1
③ 「よくある不安」を言葉にしてみる
レーシックを検討している人の不安は、大きく分けると次のようなパターンに集約されます。
3-1. 「失明してしまうのでは?」という漠然とした恐怖
ネット上には、レーシックで大きなトラブルが起きた方の体験談もあります。ガーディアン+1
そうした記事だけを見ると、「自分もそうなるのではないか」という不安で頭がいっぱいになります。
ここで大事なのは、どの程度の頻度で、どんな合併症が起きているのか
自分の目の状態だと、どのリスクが相対的に高いのかを、医師の口から具体的な数値・経験を交えて説明してもらうことです。
3-2. 「一生ドライアイになったらどうしよう」
実際、ドライアイはレーシック後の合併症の中でも最も一般的なものとして挙げられています。EyeWiki+2ドクターリスケ+2
ただし、ほとんどの人は時間の経過とともに改善するという報告も多く、一部の人で症状が長期化するというイメージです。
不安な場合は、もともとのドライアイ傾向の有無
ドライアイ治療の経験がある医師かどうか
術後に症状が残った場合の具体的な治療プランを、あらかじめ確認しておくと「最悪のケースを想像しておくだけで、逆に気持ちが楽」になることもあります。
3-3. 「夜間運転の仕事だから、ハロー・グレアが怖い」
タクシー・トラックドライバー、夜勤が多い方ほど、「夜のライトが見えにくくなったら仕事にならない」という現実的な心配があります。
この場合は、レーシックではなく他の屈折矯正法(ICL、PRKなど)が向いているケースもあり、「仕事との相性」を含めた相談が必須です。南青山アイクリニック東京 –+2JSCRS LASIK+2
④ カウンセリングで医師に確認しておきたい質問リスト
ここからは、実際にカウンセリングに行ったときに医師に聞いておくと安心度がぐっと上がる質問をテーマ別にまとめます。
4-1. 自分の目の状態とリスクの関係
私の角膜の厚さと形はどうですか?
→ 角膜拡張症(エクタジア)のリスクはどう評価されますか?
私の近視・乱視の度数だと、どのくらい角膜を削ることになりますか?
もともとドライアイ傾向はありますか?術後に悪化しやすいタイプでしょうか?
瞳孔の大きさ(暗い場所でのひとみの直径)はどのくらいで、ハロー・グレアのリスクに影響しますか?
4-2. 術後の見え方と日常生活
私の目の状態だと、術後の目標視力はどのくらいに設定しますか?
過矯正・低矯正や視力の戻りの可能性について、一般的な確率や傾向を教えてください。
夜間の運転に影響しそうな点(ハロー・グレア・コントラスト低下)はありますか?
PC作業やスマホは、術後どのくらいのタイミングで再開できますか?
4-3. ドライアイと合併症への備え
術後にドライアイが出た場合、どのような治療・ケアをしてもらえますか?
感染症やDLKが疑われる場合、どのような症状が出ますか?
そのときは何時でも連絡していいですか?
これまでに重い合併症(角膜拡張症・重度の感染など)が起きたことはありますか?
差し支えない範囲で教えてください。
4-4. 万一トラブルが起こったときの対応
視力が想定より出なかった場合、再手術は可能ですか?
可能な場合、その条件・費用・時期はどうなりますか?
再手術をしない場合、メガネ・コンタクトでどの程度まで補える見込みですか?
保証期間・術後フォローの期間や回数はどのように設定されていますか?
4-5. 長期的な見通し(老眼・将来の目の病気など)
将来、老眼が出てくる年齢になったとき、見え方はどう変わりそうですか?
白内障手術や他の目の病気の治療が必要になったとき、レーシックをしていることで不利になることはありますか?
長期的な視力変化について、一般的な経過のイメージがあれば教えてください。
⑤ まとめ:不安を「言語化」して、一緒に整理してくれる医師を選ぶ
レーシックのリスク・合併症について調べていると、「成功率は高いから大丈夫」と書いてあるサイト
「危険だから絶対やめるべき」と強い言葉で書いてある記事
合併症に苦しんだ方の切実な体験談など、両極端な情報が目に入ってきて、どんどん不安が膨らんでしまうことがあると思います。
そんなときに大事なのは、
一般的に知られているリスクを一通り理解すること
その上で、「自分の目の状態」だと何がどの程度問題になりうるのかを
医師と一緒に整理していくこと「合併症が怖いからやめる」「それでもメリットのほうが大きいと感じる」
どちらの決断も、自分の価値観として尊重すること
レーシックは、「全員が受けるべき手術」でも、「絶対に受けてはいけない手術」でもありません。
ドライアイや夜間の見え方の変化といったリスクを理解した上で、
メガネ・コンタクト生活から解放されるメリットが、自分にとってどのくらい大きいか
万一、軽度〜中等度の合併症が出た場合でも、「それも含めて納得して選べるか」を、じっくり考えていくプロセスが大切だと感じます。
そして、その不安を一つひとつ丁寧に聞き取り、
専門的な立場から説明してくれる医師・クリニックと出会えることを願っています。
※本記事は一個人の体験や一般的な情報をもとにした内容です。
実際の手術や治療については、必ず専門の眼科医と相談したうえでご判断ください。






