目次
レーシックを検討しているあなたへ
「メガネやコンタクトをやめたいけれど、本当にレーシックをして大丈夫なのかな…?」
「失敗したら怖いし、どんな手術なのかイメージできない…」
レーシックを調べ始めると、メリットと同じくらい不安な情報や噂も目に入ってきて、余計に迷ってしまいますよね。
この記事では、
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レーシックの基本的な仕組み
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主な手術の種類と違い
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レーシックに向いている人・向いていない人の目の状態やライフスタイルの特徴
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実際によく聞く「良かった点・大変だった点」
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クリニック選びやカウンセリングで確認したいポイント
を、「専門用語をできるだけかみくだいて」お伝えします。
あくまで医療行為の最終判断は眼科医が行うものですが、その前の段階として、
「自分はそもそもレーシックを検討していいタイプなのか」
「どんな点を医師に相談すべきなのか」
を整理するための、判断材料として読んでいただければと思います。
レーシックとは?基本の仕組みをやさしく解説
そもそも、近視・乱視はなぜ起こるの?
レーシックの仕組みを理解するには、「近視や乱視がなぜ起こるのか」を軽く押さえておくとイメージしやすいです。
一般的に、目のピントが合う仕組みはこう言われています。
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目の表面にある「角膜(かくまく)」と、その奥にある「水晶体」がレンズの役割をする
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入ってきた光をちょうどよく曲げて、目の奥にある「網膜(もうまく)」の上にピタッと像を結ぶと、よく見える
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ところが、角膜のカーブや目の長さのバランスが合わないと、ピントが網膜の手前や奥で合ってしまう
この「ピントがずれている状態」が、
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手前で合う → 近視
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奥で合う → 遠視
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部分的にピントがずれる → 乱視
といった見え方のトラブルとして現れます。
レーシック手術のざっくりした流れ
レーシックは、「角膜の表面をレーザーで少しだけ削って、ピントの位置を調整する手術」です。
かなりざっくり言うと、次のような流れです。
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事前検査
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視力、角膜の厚さ、形、ドライアイの状態などを詳しくチェック
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手術をしても大丈夫かどうか、適応の可否を確認
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手術当日
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点眼麻酔をして、まぶたを開いた状態で固定
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角膜の表面に「フラップ」と呼ばれる薄いふたを作る
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フラップをめくり、その下の角膜の組織をレーザーで削って、屈折力(レンズの強さ)を調整
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めくったフラップを元に戻す
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術後の経過観察
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数日〜数ヶ月かけて、視力や角膜の状態、ドライアイなどを定期的にチェック
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目の中を切ったり、何かを埋め込んだりするのではなく、あくまで「角膜の形を変える手術」とイメージするとわかりやすいと思います。
どのくらい視力が回復するの?
一般的には、
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裸眼で0.1以下だった人が、1.0前後まで見えるようになるケース
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日常生活でメガネ・コンタクトが不要になるケース
などが、レーシック後によく報告されています。
ただし、
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どこまで視力が出るか
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それがどのくらい続くか
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夜間の見え方(にじみ・まぶしさ)などがどうなるか
は、角膜の形や厚さ、元々の度数、目の体質などによって個人差が大きいとされています。
「必ず1.5見えるようになる」「一生視力が落ちない」といった保証はありませんので、その点は医師からの説明をよく聞いて判断する必要があります。
レーシックの主な種類と特徴
レーシックと一言で言っても、技術の進歩とともにいくつかの種類があります。
代表的なものを、一般的に言われている範囲で整理してみます。
主なレーシックの種類
| 手術名 | 特徴のイメージ | 一般的に言われているポイント(例) |
|---|---|---|
| 通常のレーシック | 昔からある基本的なレーシック | フラップ作成に機械式のマイクロケラトームを使う |
| 全レーザー(フェムト)レーシック | フラップもレーザーで作るタイプ | フラップ精度が高いとされることが多い |
| カスタム・アイレーシック系 | 目ごとのクセに合わせたオーダーメイド補正 | 高次収差(細かいゆがみ)を考慮した照射パターンを使うことがある |
| PRK / LASEK(表面照射系) | フラップを作らず、角膜表面をけずるタイプ | 術後の痛みや回復期間がレーシックより長くなることが多い |
| SMILE(リレックススマイル等) | 角膜内の一部をレーザーでくり抜いて取り出す | 切開が小さいとされ、ドライアイへの影響などで注目されている |
※上記はあくまで「一般的にこう説明されることが多い」という整理であり、実際の優劣や適応は、クリニックや個々の目の状態によって異なります。
通常のレーシックと全レーザー(フェムトレーシック)
従来型レーシックでは、
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フラップ作成 → 機械式(刃のついた装置)
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角膜を削る → エキシマレーザー
という組み合わせが一般的でした。
一方で、**全レーザー(フェムトレーシック)**と呼ばれるタイプでは、
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フラップ作成 → フェムトセカンドレーザー(非常に短いパルスのレーザー)
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角膜を削る → エキシマレーザー
と、フラップを作る段階からレーザーを使うのが特徴です。
一般的には、
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フラップの厚みや形がより安定しやすい
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角膜の薄い人など、適応の幅が少し広がるケースもある
といった説明がなされることがありますが、「どの方式がベストか」は人によって違うため、検査結果を踏まえた上で医師と相談する必要があります。
カスタムレーシック・アイレーシック系とは?
「アイレーシック」「カスタムレーシック」などと呼ばれるタイプは、
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目の細かいゆがみ(高次収差)まで測定して
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その人専用のレーザー照射パターンを作る
といった考え方のレーシックです。
一般的には、
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夜間のにじみやまぶしさの軽減を期待して導入されているケース
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スポーツ選手やパイロットなど、精度の高い見え方を求められる人に用いられるケース
などが紹介されることがあります。
ただし、「アイレーシックだから必ず夜の見え方が良くなる」「誰でもカスタムのほうが得」というわけではなく、
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元々の目のクセ
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瞳孔の大きさ
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生活環境
によって、向き・不向きが変わります。ここもクリニック選びとカウンセリングでしっかり確認したいポイントです。
PRK・LASEK・SMILEなど、レーシック以外との違い
レーシックと比較されることが多いのが、PRK / LASEKやSMILEといった手術です。
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PRK / LASEK
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角膜の表面を削って矯正する方法
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フラップを作らない
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術後の痛みや視力回復に時間がかかることが多い
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角膜が薄い人など、レーシックが向かない人に検討される場合がある
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SMILE(リレックススマイルなど)
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角膜内にレーザーで小さなレンズ状の組織(レンチクル)を作り、それを小さな切開から取り出す
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角膜表面の切開が小さいため、ドライアイや角膜の強度面で注目されている
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対応しているクリニックが限られる場合もある
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どの方法が自分に合うかは、角膜の厚さ・度数・職業・ライフスタイルなどを総合的に見て、医師が判断する領域です。
「ネットの評判だけで方式を決める」のではなく、「自分のデータに基づいた説明があるかどうか」をクリニック選びの基準にすると安心感が違ってきます。
レーシックに向いている人・向いていない人の特徴
ここからは、多くのクリニックや情報サイトで「一般的にこう言われている」という前提で、レーシックに向いている人・向いていない人の傾向を整理してみます。
レーシックが向いているとされる人の一例
一般論として、次のような条件に当てはまる人は、レーシックを検討しやすいと言われることが多いです。
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年齢が概ね20歳以上で、近視の度数が数年あまり大きく変わっていない
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強度近視ではなく、中等度までの近視・乱視である
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角膜の厚さや形がレーシックに適した範囲にある
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糖尿病などの全身疾患が重くなく、目の病気(緑内障・進行性の角膜疾患など)がない
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職場や生活環境的に、数日〜1週間程度のダウンタイムを調整できる
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メガネやコンタクトに強いストレスを感じている
(スポーツ、仕事、子育てなどで不便を感じている など)
もちろん、これらに当てはまるからといって「必ずレーシックを受けた方がいい」という意味ではありませんが、
「まずカウンセリングを受けて、適応があるか相談してみる候補になる」イメージです。
レーシックが向いていない、慎重に考えたいケース
逆に、一般的に「レーシックには向かない」「慎重な判断が必要」と言われることが多いケースもあります。
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角膜が薄い、または角膜の形に異常がある(円錐角膜などの疑い)
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強度近視で、角膜を大きく削る必要がある
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深刻なドライアイがある
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緑内障や網膜の病気など、他の目の病気を抱えている
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妊娠中・授乳中など、ホルモンバランスの影響が大きい時期
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コンタクトが使えない職場だが、夜間の運転が多く、ハローやグレア(にじみ・まぶしさ)に敏感になりそうな人
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「絶対に100%の結果でないと嫌だ」「少しでも後悔する可能性があるなら無理」という完璧主義に近い考え方の人
これらはあくまで「一般的に注意が必要とされるケース」の例です。
自分がどれかに当てはまるからといって、自動的にNGが確定するわけではありません。
重要なのは、
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正直に自分の持病や不安を医師に話すこと
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「少しでも迷いがあるなら、すぐに手術を決めない」こと
です。
ライフスタイル別に考える「レーシックあり・なし」
レーシックを検討するときは、度数だけでなく「生活スタイルとの相性」も大切です。ざっくりイメージを表にしてみます。
| ライフスタイル・仕事の例 | レーシックとの相性イメージ(一般論) |
|---|---|
| 激しいスポーツ(格闘技・ラグビーなど接触系) | 角膜への衝撃リスクに注意。フラップへの影響を含め、医師と十分に相談が必要 |
| 水泳・ダイビングが趣味 | ゴーグルのくもりや度付きの手間が減る一方、術後一定期間は水に気をつける必要 |
| 長時間のデスクワーク・PC作業 | もともとドライアイ体質だと、術後の乾きがつらく感じることがある |
| 夜間の運転が多い仕事 | ハロー・グレアが出やすい体質だと負担になる可能性があるため要注意 |
| 子育て中・これから妊娠を考えている | 体調や睡眠、ホルモンバランスの変化を踏まえて、タイミングを慎重に検討 |
| 海外出張・旅行が多い | メガネ・コンタクトの管理が楽になる一方、万一のトラブル時に受診先を要確認 |
ここに書いたことはあくまで一般的な整理であり、最終的には「自分の仕事・趣味・価値観」と照らし合わせてどう感じるかが重要です。
レーシックのリスク・合併症:怖いポイントを冷静に整理
レーシックを調べているとき、多くの方が怖くなるのは「リスクや後遺症」の情報だと思います。
一般的に言われている可能性としては、例えば次のようなものがあります。
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一時的、あるいは長期的なドライアイの悪化
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夜間に光がにじんで見える「ハロー」や、まぶしく感じる「グレア」
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視力の戻り(数年後に少し近視が戻るなど)
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視力が期待より出なかった、左右差が残った
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ごくまれな合併症(感染、角膜の形が不安定になるなど)
ここで大事なのは、
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それぞれのリスクが「どのくらいの頻度で」「どの程度の重さで」起こりうるのか
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自分の目のデータだと、どのリスクが高くなりそうなのか
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万一トラブルが起きたときに、クリニックがどこまで対応してくれるのか
を、カウンセリングで必ず医師から直接説明してもらうことです。
ネットの口コミや体験談は、とても参考になる一方で、
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「たまたまレアケースの人の情報だけを見て、必要以上に怖くなる」
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「逆に、うまくいった人の声だけ見て楽観的になりすぎる」
といった偏りも起こりやすいので、あくまで参考資料として扱い、最終的な判断材料は医師からの説明に置くのがおすすめです。
体験談から見える「良かった点」と「大変だった点」
ここでは、一般的なレーシック体験談でよく語られるポイントを、少し整理してみます。
※あくまで「よく耳にする傾向」の話であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
よく聞く「良かった点」
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朝起きてすぐに、はっきり見えることへの感動
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旅行や温泉、プールなどでメガネ・コンタクトを気にしなくて良くなった
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コンタクト代・ケア用品代・定期検査代など、長期的なコストを考えるとプラスだった
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スポーツや子どもとの外遊びが、身軽で楽しめるようになった
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メガネなしの見た目に自信が持てるようになった
こうした「日常の小さなストレスから解放される快適さ」を、非常に強く感じる人が多い印象です。
よく聞く「大変だった点・気になった点」
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手術前日〜当日は、やはり不安で緊張した
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しばらくはドライアイで目薬が手放せなかった
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暗い場所でライトを見ると、にじみが気になることがある
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事前のイメージよりも、見え方の変化に慣れるまで時間がかかった
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「100%完璧!」というより、「メガネ・コンタクトからの解放と引き換えに、別の小さな不便が少しある」という感覚だった
このように、レーシックは「何もかもが完璧になる魔法のような手術」ではなく、「メガネ・コンタクト生活」とのトレードオフをどう考えるかという側面があります。
自分の性格や価値観を考えたときに、
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小さな違和感があっても、メガネ・コンタクトの不便さから解放されるならプラスと感じるタイプか
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小さな違和感も許せず、「元に戻せないこと」がストレスになりやすいタイプか
を、正直に見つめてみることも大切です。
手術を検討する前にチェックしたいポイント
「レーシックを受けるかどうか」は、勢いで決めるよりも、
情報を一通り集めてから、じっくり考えるほうが後悔しにくい選択になりやすいです。
ここからは、実際に検討するときにおすすめのステップをまとめます。
自分の中で整理しておきたいこと
カウンセリングに行く前に、次のような点を紙やスマホにメモしておくと、話がスムーズです。
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レーシックを考え始めたきっかけ
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例)コンタクトが合わなくなってきた、スポーツのときに不便 など
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いちばん不安なこと
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例)失敗リスク、将来の視力変化、夜の運転 など
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職業と日常生活のスタイル
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夜間運転の有無、長時間のPC作業の有無、細かい作業の有無 など
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持病や服薬中の薬
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過去の目の病気・怪我・手術歴
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手術にかけられる予算とタイミング
これらを整理しておくと、医師も「どの点を重点的に説明すべきか」把握しやすくなります。
クリニック選びで確認したいチェックポイント
クリニックや医師を選ぶとき、一般的には次のような点が重視されることが多いです。
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カウンセリング・説明が十分に時間をとられているか
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メリットだけでなく、リスクや合併症についても具体的に説明してくれるか
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検査の項目が十分に用意されているか(角膜の厚さ・形、瞳孔径など)
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手術担当医の経歴や、担当症例数の情報が公開されているか
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追加料金やオプションの説明が明確か
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術後の通院回数や、保証期間・再手術の扱いが明文化されているか
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質問をしても嫌な顔をせず、丁寧に答えてくれる雰囲気か
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「今日決めてくれたら割引します」など、強引に契約を迫らないか
いくつかのクリニックでカウンセリングを受け、**「説明のわかりやすさ」「安心感」「自分との相性」**を比べてみるのもおすすめです。
カウンセリングで医師に聞いておきたい質問例
実際にカウンセリングに行くと、緊張して聞きたいことを忘れてしまうこともあります。
事前に、次のような質問をメモして持っていくと安心です。
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私の目の状態だと、レーシック以外に選択肢はありますか?(PRK・SMILEなど)
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レーシックをする場合、どの方式がおすすめで、その理由は何ですか?
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想定される術後の視力はどのくらいですか?
(「保証」ではなく、「予想として」) -
私の目の状態だと、どのリスクが特に注意ポイントになりそうですか?
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もし合併症が起きた場合、どのような対応が可能ですか?
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将来、老眼が出てきたときの見え方はどうなりますか?
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手術後、夜間の運転やスマホ・PC作業はいつから可能ですか?
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料金に含まれているもの、含まれていないもの(追加オプションなど)は?
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検査〜手術〜術後の通院スケジュールを、ざっくり教えてください
これらの質問に対して、
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あいまいにごまかさず、きちんと説明してくれるか
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「この人になら任せてもいい」と感じられるか
も、判断材料のひとつになります。
まとめ:焦らず、自分に合う選択をするために
ここまで、
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レーシックの基本的な仕組み
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主な手術の種類と特徴
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レーシックに向いている人・向いていない人の目の状態やライフスタイル
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よく聞く「良かった点」「大変だった点」
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クリニック選びとカウンセリングで確認したいポイント
を、一通り整理してきました。
最後に、レーシックを検討している方にお伝えしたいのは、次の3つです。
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レーシックは「魔法の手術」ではなく、メリットとリスクを理解したうえで選ぶ医療行為であること
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ネットの情報だけで決めるのではなく、必ず複数のクリニックで検査と説明を受けてから判断すること
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「今すぐ決めなきゃ」と焦る必要はなく、数ヶ月〜数年単位でじっくり検討してもいい選択だということ
この記事が、
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「レーシックって、だいたいこういうものなんだな」
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「自分はどこが不安で、どこを医師に相談すべきなのか」
を整理するきっかけになればうれしいです。
