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コンタクトレンズがずれる原因と対処法
頻繁なずれは目のトラブルのサインかも?
コンタクトレンズを使っていると、
「なんか上にずれた」「端に行って視界がぼやける」
といった経験が一度はあると思います。
たまに起こる程度なら大きな問題にならないことも多いですが、
片目だけいつもずれる
毎日のように同じトラブルが起きる
ずれ方と一緒に痛み・充血・かゆみなども出ている
といった場合は、レンズの選び方や装用方法、あるいは目自体に何らかの問題があるサインの可能性もあります。
ここでは、コンタクトレンズがずれる主な原因と、ずれたときの対処法、受診を検討したいケースをまとめて解説します。
コンタクトレンズが目の中でずれる主な原因
1. レンズのサイズ(BC)が合っていない
コンタクトレンズには「BC(ベースカーブ)」という、
レンズのカーブの強さを表す数値があります。
眼球よりカーブがきつすぎる
逆にゆるすぎる
こういった場合、レンズが角膜にフィットせず、
まばたきのたびに上下左右へ動きやすくなります。
最近はネット通販で簡単にレンズを買えますが、
初めてコンタクトを使う方
しばらく度数や種類を変えていない方
は、一度眼科でベースカーブや度数の測定を受けてから購入するのがおすすめです。
2. 装着の仕方が間違っている
サイズが合っていても、付け方が間違っているとズレやすさは一気にアップします。特に多いのが次の2つです。
表裏が逆になっている
コンタクトは表と裏があり、
裏返しのまま装着するとカーブが合わずズレやすくなるうえ、違和感も強くなります。
「忙しくて急いでいた」「寝ぼけていた」などのときに、
うっかりやってしまいがちなミスです。
左右のレンズを逆に付けている
左右のレンズは見た目ではほとんど同じに見えますが、
度数(PWR)
BC(ベースカーブ)
などが右目・左目でそれぞれ違う設定になっていることがほとんどです。
左右を逆に装着すると、
見え方がおかしい
カーブが合わずズレやすい
といったトラブルに直結します。
特に2weekなどをケース保管していると、
どちらが右・左か分からなくなりがちなので注意が必要です。
3. レンズの装着にまだ慣れていない
コンタクト初心者の頃は、
目が怖くてしっかり開けられない
まばたきが増える
装着直後にレンズを触りすぎてしまう
などの理由で、自分の動きが原因でレンズをずらしてしまうこともよくあります。
特にハードレンズは違和感が出やすく、
「気になる→触る→さらにズレる」というループになりがちです。
多くの場合、数日〜数週間で目と脳が慣れてくるので、
最初の時期はあまりいじりすぎないよう意識することも大切です。
4. 強い衝撃を受けた(スポーツなど)
球技スポーツでボールが顔に当たった
激しく動いている最中にまぶたが大きく揺れた
など、瞬間的な衝撃や大きな動きでもコンタクトはずれやすくなります。
特にハードレンズはサイズが小さい分、
目の上の方に移動してしまう
そのまま外れて落ちてしまう
といったトラブルも起こりやすいので、
スポーツが多い方はソフトレンズ(特に1day)をメインにする選択肢も検討してみてください。
5. レンズに傷や汚れが付いている
爪で傷を付けてしまった
ゴミやホコリがついた
タンパク汚れがこびりついている
こういったレンズをそのまま装用すると、
角膜の上で傷や汚れが引っかかり、レンズの動きが不規則になります。
痛みや強い違和感がある
特定の箇所でチクッとする
といった症状があるときは、
レンズを外して状態を確認し、必要に応じて交換または処分しましょう。
開封直後から傷や欠けがある場合は、
不良品の可能性もあるため、メーカーや購入店に相談を。
6. 目が乾燥している(ドライアイ・環境要因など)
コンタクトレンズは、涙の層の上に浮かんでいるような状態で安定しています。
ところが、目が乾燥すると涙の量や質が変わり、
レンズが吸着しにくくなる
目を動かすたびにレンズが一緒に流れてしまう
といったことが起こります。
乾燥の原因としては、
ドライアイ
空気の乾燥(冬場・エアコン)
風が直接目に当たる(エアコンの風、送風口の位置など)
長時間の装用・PC作業による瞬きの減少
などが挙げられます。
7. 涙が出すぎている
乾燥とは逆に、涙が多すぎてもレンズが流されてずれやすくなります。
寝不足であくびが増えている
花粉症などで涙目になっている
アレルギー性結膜炎で常に目がウルウルしている
このようなときは、一時的にレンズの使用を控える・メガネに切り替えることも検討しましょう。
8. アレルギー・巨大乳頭結膜炎などの目の病気
コンタクトレンズのずれの裏に、
目の病気が隠れていることもあります。
代表的なものは次のとおりです。
アレルギー(花粉症など)
かゆみ
充血
涙が出やすい
などの症状で、レンズが安定しにくくなります。
巨大乳頭結膜炎
まぶたの裏側にブツブツした隆起(乳頭)が大きくできる病気で、
この凸凹にレンズが引っかかり、ズレやすくなってしまいます。
かゆみ
目ヤニの増加
レンズの違和感・ずれ
が続くときは、眼科でのチェックが必要です。
円錐角膜
本来なめらかに丸いはずの角膜が、
前方にとんがって変形してしまう病気です。
角膜の形が変わってしまうため、
通常のコンタクトがフィットしない
レンズが安定せずズレやすい
といったトラブルが起きます。
強い近視や乱視が進んでいるときには、この病気が隠れていることもあります。
コンタクトレンズがずれたときの正しい対処法
1. まずは「レンズがまだ目の中にあるか」を確認
違和感を覚えたときは、慌てて目をこすらず、
まずは落ち着いてレンズの有無を確認しましょう。
すでにどこかに落ちている
まだ目のどこかにくっついている
で対応が変わります。
2. レンズが目の中に残っている場合
鏡の前で次の順番を試していきます。
手を使わずに試す
まばたきを少し強めに何度か繰り返す
視線を上下左右・斜めに大きく動かす
→ 軽くずれているだけなら、これで自然に中心に戻ることがあります。
それでも戻らないときは、清潔な指でそっと動かす
手を石けんでよく洗う
指先の水分を軽く拭き取る
鏡を見ながら、黒目とレンズの位置を確認
指の腹でレンズの端をそっと触り、視線を動かしながら中心に戻す
このとき、
爪を立てない
強く押さえない
目をこすらない
ことがとても大切です。
レンズの位置がどうしても分からない場合
「どこに行ったか全く分からない」「まぶたの奥に入った気がする」など、
不安が強いときは、自分で無理に触らず眼科で外してもらうほうが安全です。
3. レンズがすでに外れている場合
まずは周辺をしっかり探す(洗面台・服・床など)
見つかっても、その場ですぐに目に戻さない
レンズが床や衣類に触れた時点で、
汚れ
雑菌
小さな傷
が付いている可能性があります。
1day:見つかっても再使用は避けて、新しいレンズを開封
2weekなど:きちんと洗浄・消毒。それでも心配なら新しいレンズに交換を検討
大切な長期使用レンズを無理に再利用して、
目を傷つけてしまっては本末転倒です。
4. 目の違和感や痛みが強い場合
ゴロゴロ感が強い
充血・痛み・しみる感じが続く
レンズを外しても症状がぜんぜん治まらない
こういった場合は、レンズの使用を中止して眼科を受診したほうが安心です。
一時的な対処としては、
レンズを外す
人工涙液で目を洗い流す
その日はメガネで過ごす
という流れがおすすめです。
頻繁にレンズがずれるときに見直したいポイント
コンタクトが何度もずれるようなら、
次のような点を一度整理してみてください。
眼科での検査・処方は最近受けたか
BCや度数が自分の目に合っているか
装着方法(表裏・左右)を毎回きちんと確認しているか
乾燥しやすい環境で、長時間つけっぱなしになっていないか
レンズケア(擦り洗い・保存液交換・ケース洗浄)は十分か
かゆみ・目ヤニ・充血・痛みなど、他の症状を伴っていないか
少しでも「おかしいな」と感じる場合は、
自己判断で我慢せずに眼科で相談することが、目を守るいちばんの近道です。
まとめ:コンタクトレンズのずれは「小さなサイン」と考えて早めに対策を
普通に使っているだけで頻繁にコンタクトがずれるのは、
レンズの選び方・装用方法・目の状態のどこかに問題があるサインかもしれません。ベースカーブや度数、付け方やケアを見直しても改善しない、
あるいは痛み・かゆみ・充血などが続くときは眼科受診を検討しましょう。
コンタクトレンズは、とても便利な道具である一方で、
使い方を間違えると目に負担をかけてしまいます。
「最近よくずれるな」と感じたタイミングが、
使い方やレンズを見直す良いきっかけになるはずです。









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