目次
コンタクトレンズはハードとソフトどっちがいい?
まずは「違い」をざっくり整理
コンタクトレンズを選ぶとき、最初の分かれ道になるのが
ハードコンタクトレンズ(ハード)か、ソフトコンタクトレンズ(ソフト)かという選択です。
目の健康を優先したい
とにかく付け心地を重視したい
スポーツで使いたい
コストを抑えたい
など、人によって重視するポイントは違います。
まずは、ハードとソフトの違いをざっくり表で見てみましょう。
| 項目 | ハードコンタクトレンズ | ソフトコンタクトレンズ |
|---|---|---|
| 素材・硬さ | 硬いプラスチック | 水分を含んで柔らかいプラスチック |
| サイズ | 小さめ(黒目全体は覆わない) | 大きめ(黒目をしっかり覆う) |
| 酸素供給 | 高め | 低め(※高酸素透過タイプもあり) |
| 装用感 | 慣れるまで異物感あり | 初心者でもなじみやすく快適 |
| 乱視矯正 | 得意 | 苦手(乱視用ソフトが必要) |
| 価格・寿命 | 1枚あたり高いが長寿命(1〜数年) | 1枚は安いが短寿命(1day・2weekなど) |
| スポーツとの相性 | 衝撃で外れやすく不向き | 外れにくくスポーツ向き |
| 衛生面・メンテナンス | 雑菌が繁殖しにくいが、手入れは必須 | 水分が多く雑菌が増えやすい/ケア重要 |
| 目の異常への気づきやすさ | 異常があると痛み・違和感で気付きやすい | 付け心地が良すぎて気付きにくい場合も |
ここからは、それぞれをもう少し詳しく見ていきます。
ハードコンタクトレンズの特徴・メリット・デメリット
ハードコンタクトレンズとは?
ハードレンズはその名の通り硬いプラスチック素材でできており、サイズは小さめ。
黒目をすべて覆うのではなく、中央部分を中心に乗るイメージです。
基本的には長期間使用(1〜数年)が前提
1dayや2weekではなく、「1年用」「2年用」といった位置づけ
ハードレンズのメリット
① 酸素供給量が高く、長時間使用に向いている
サイズが小さく、角膜全体を覆わないため、
目の表面に空気が触れやすく、酸素が届きやすいのが特徴です。
デスクワークで1日中パソコンを使う
朝から夜まで装用時間が長い
といった方には、目の負担が比較的少ない選択肢になります。
② 雑菌が繁殖しにくく、衛生的
ハードレンズは水分を含まない素材でできているため、
ソフトレンズに比べて雑菌が繁殖しにくいというメリットがあります。
もちろん、
レンズをこすり洗いしない
汚れたケースで保管する
といった不適切なケアを続ければ問題は起こりますが、
きちんとメンテナンスすれば目のトラブルが起きにくい構造です。
③ 目の異常に気付きやすい
レンズが硬いため、
目にゴミが入った
炎症が起きている
ドライアイが悪化している
といった異常があると、違和感や痛みとして自覚しやすいです。
早い段階で「おかしいな?」と気づけるのは、目を守るうえで大きなメリットです。
④ 矯正力が強く、乱視にも強い
硬い素材で形が安定しているため、
視力をしっかり矯正できる
乱視矯正にも向いている
という特徴があります。
乱視が強い人や、視力のシャープさを重視する人にはハードレンズが有利です。
⑤ 1年〜数年単位で見るとコスパが良い
1枚あたりの価格は
安くても 4,000円台〜
高いものは 10,000〜20,000円以上
と高めですが、トラブルなく数年使えれば、
1日あたりのコストはソフトより安くなるケースも多いです。
ハードレンズのデメリット
× 装着感が悪く、慣れるまで異物感が強い
硬くて小さいレンズなので、付け始めは「ゴロゴロする」「違和感が強い」
まばたきのたびにレンズが上下に動く感じがある
といった声も多く、慣れるまで数週間〜1ヶ月程度かかる人もいます。
× 衝撃で外れやすく、スポーツには不向き
レンズが小さく黒目全体を覆わないため、衝撃が加わるとズレたり外れたりしやすいです。
サッカー・バスケなど接触が多いスポーツ
激しい運動や水泳にはあまり向きません。
× 落とす・割ると痛い出費に
ハードレンズは薄くて硬いので、落として割れてしまう
洗面台や床に落として見失うといったトラブルもありがちです。
1枚なくすと数千〜数万円の出費になるため、取り扱いには注意が必要です。
ソフトコンタクトレンズの特徴・メリット・デメリット
ソフトコンタクトレンズとは?
ソフトレンズは、水分を含むことで柔らかくなる素材で作られています。
黒目全体を覆う大きめサイズで、目のカーブにぴったりフィットするイメージです。
1day(ワンデー)
2week(ツーウィーク)
など、短期間で交換する使い捨てタイプが基本です。
ソフトレンズのメリット
① 装着感が良く、初心者でもなじみやすい
柔らかい素材が角膜のカーブに沿ってフィットするため、初めてでも違和感が少ない
「つけているのを忘れる」くらい自然な装用感と感じる人も多く、コンタクト初心者には特に人気です。
② 外れにくく、スポーツにも向いている
サイズが大きく、水分で目に張り付くような構造のため、衝撃でズレにくい
走ってもジャンプしても外れにくいという特徴があります。
スポーツやアクティブな趣味がある人にはソフトが相性◎です。
③ 初期費用が安く、気軽に試しやすい
ソフトレンズは1枚あたり数百円〜とリーズナブルな価格帯が多く、「まずは1dayで試してみたい」
「合うかどうかわからないから少しだけ使ってみたい」という人でも導入ハードルが低いのが魅力です。
ソフトレンズのデメリット
× 酸素供給量が低く、長時間装用に不向き
黒目全体を覆ってしまう構造のため、昔ながらのソフトレンズは酸素透過性が低めでした。
長時間装用で目が充血しやすい
夕方になるとシバシバすると感じることもあります。
最近は、高含水レンズ シリコーンハイドロゲルなど高酸素透過型レンズも増えており、追加コストでこのデメリットを軽減できるケースもあります。
× 水分が多く、不衛生になりやすい
レンズ自体が水分を多く含むため、汚れやタンパク質が付きやすい
ケアをサボると雑菌が繁殖しやすいという面があります。
1day(ワンデー):毎日新品に交換するので衛生面のリスクは低い
2weekなどの定期交換タイプ:ハード以上に丁寧なケアが必須となります。
× 目の異常に気付きにくい
装用感が良すぎるがゆえに、角膜に傷がついていても気づかない
ドライアイや炎症が進行しているのに、違和感を感じにくいといったことも起こりがちです。
「痛くない=問題ない」ではないと意識しておく必要があります。
× 矯正力が弱く、乱視には工夫が必要
柔らかく形が変わりやすいため、ハードに比べて視界が少し「ぼやっと」感じることがある
乱視矯正は苦手で、乱視用ソフト(トーリックレンズ)が必要となります。
強い乱視の方は、ハードのほうが向いているケースが多いです。
価格・寿命・メンテナンスをまとめて比較
コストと寿命のイメージ
| 項目 | ハードレンズ | ソフトレンズ |
|---|---|---|
| 初期費用 | 片目数千〜数万円と高め | 1day・2weekは数百円〜数千円と安い |
| 寿命 | 1〜数年(トラブルがなければ長く使える) | 1day・2week・1monthなど短期で交換 |
| 1年トータル費用 | 長期使用できればソフトより安くなることも | 継続利用だとハードより割高になることが多い |
| 紛失・破損時 | 1枚なくすとダメージ大 | 1枚あたりが安いのでダメージは比較的小さい |
なくしやすい人・雑に扱ってしまうタイプ
→ ハードのメリット(長寿命・安いトータルコスト)を活かしにくい物を丁寧に扱える・なくさない自信がある人
→ ハードでトータルコストを抑えられる可能性あり
ハードとソフト、結局どっちがいい?向いている人の傾向
ハードコンタクトレンズをおすすめしたい人
デスクワークなど、長時間コンタクトを付けていることが多い
目の健康や酸素供給もきちんと意識したい
乱視が強い/視界のシャープさを重視したい
コンタクトをなくさない自信がある
日々のメンテナンスを丁寧に続けられる
ソフトコンタクトレンズをおすすめしたい人
初めてで、まずは付け心地が楽なものから試したい
スポーツや趣味でアクティブに動くときに使いたい
「とりあえずお試し」感覚でコンタクトを使ってみたい
毎日のケアが苦手なので、1dayで使い捨てにしたい
2weekなどを選ぶ場合も、ケアを習慣化する自信がある
ハードとソフトを「使い分ける」という選択肢も
どちらか一方に決める必要はなく、
シーン別にハードとソフトを使い分けるという方法もあります。
平日:デスクワーク中心 → 酸素供給の良いハードレンズ
休日:テニスやフットサル → 外れにくい1dayソフトレンズ
といったように、
メインとサブの2種類を持っておくと、目にもライフスタイルにも優しい使い方ができます。
まとめ:自分の目と生活スタイルに合わせて選ぼう
ハードレンズは、酸素供給が高く乱視に強い・長期的なコスパ良し
ソフトレンズは、装用感が良くスポーツ向き・初期費用が安く始めやすい
どちらが「正解」というより、ライフスタイルや性格によって向き不向きがある
最終的には、仕事・勉強・スポーツなど、コンタクトを使うシーン
なくしやすさ・丁寧にケアできるかどうか
乱視やドライアイなど、目の状態などを踏まえて、眼科で相談しながら自分に合ったタイプを選ぶのがいちばん安心です。
「ハードにするかソフトにするか迷っている」という方は、
まずは眼科で両方試してみて、装用感と見え方を比較してみることをおすすめします。










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